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生命力あふれる無農薬・無肥料・自然栽培の米・雑穀などの農産物を岩手から

  
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こだわり

私たちが、岩手県花巻市東和町の山あいでパーマカルチャー(身の回りの自然環境と調和した永続可能な人間の生活圏を創りだすためのデザイン手法)に基づいた自給中心の農園づくりに取り組んで15年がたちました。

 当初、乱暴な造成工事後に長らく耕作放棄されていた2haの棚田は、腐植質がほとんどない赤茶けた粘土質の痩せた地面をススキやササや雑木が必死に覆ってくれている状況でした。ただその雑木のほとんどは、そんな痩せた土地を再び肥沃な土壌に甦らせるために存在してくれていたネムノキ、ハンノキ、ハギなど、無尽蔵の空中窒素を土中に固定してくれる樹木たちでした。こんな、まるで私たちが暮らし始める前から受け入れ準備をしてくれていたような頼もしい存在たちに感謝しつつ、さらにそれぞれの個性やパワーを最大限発揮してもらえるような農園の姿を模索しつづけてきたのです。

 パーマカルチャーのベースとなる自然生態系の理解では、もともとこの大地には「安定した豊かな森をつくりだそう」という前向きなエネルギーが満ちています。だからこそ人間の都合で切り開いた裸地にもすぐに草が生い茂り、傷ついた大地を癒そうという力がはたらきます。そしてそれぞれが自らの体を捧げることで、黒い腐植質を少しずつ積み重ねていき、やがては豊かな森になる力を蓄えて続けていきます。

 田畑の土手に生い茂るマメ科のネムノキに支えられた、前向きなエネルギーに満ちた雑草たちの旺盛なパワーを恵みとして活かすひとつの手段として、積極的に牛や豚、そして鶏といった動物たちに、農園の循環の輪に加わってもらってきました。彼らのごはんの半分以上を青草でまかなうことで、健康を維持できることはもちろん、良質な堆肥を田畑に還元することで少しずつ土壌改良を進めてきたのです。

 ただ、どれだけ完熟堆肥にしてから田畑に施しても短期的に生育を促す力は強くても、適切なバランスを保つのが難しく、どうしても作物に病気や虫を呼んでしまうことも実感していました。

 昨年自然栽培と出会ってからは、原点に立ち返って、あせらずにその場に生きる植物の力でゆっくりと土づくりを進めていきながら、現状の地力に合わせて作物を選んでいくことの大切さを再確認できました。 今年は、約1haの田畑で自然栽培をはじめ、大豆やソバ、イナキビやエゴマなどの雑穀類を出荷予定です。

 幸い、動物たちの糞尿を田畑に還元することなく活用していく目処もたちましたので、動物たちの命に感謝して大切にいただきながらも、
自然栽培を続けていける農園のデザインを実現していきたいとおもっています。

2010年1月
自然農園ウレシパモシリ 酒勾徹